肺炎で入院している実祖母。
先々週の日曜に主人と面会に行ったら、ベッドではなく車椅子に座っていた。
主人に健康保険が始まったころの昔話などをして、楽しそうだった。
そして先週は院内なら車椅子で移動してもいいと許可され、兄と三人で院内を回り渡り廊下で外の桜を眺められた。
帰りしなに「来てくれてありがとう」、と祖母は何度も言う。
私は家族からありがとうを言われるのが苦手だ。
水くさく、こそばゆく、そして宇多田ヒカルではないがなぜか切なく感じる。
特に祖母のようにずっと文句を言うのがデフォルトの人にそう言われると、余計だ。
家族にはお礼も謝罪も欲しくない。
見ていれば喜んでるのが分かるし、その人のためにやってるんじゃなく、私がしたいからやってるのだ。
なにかをやってもらう感覚も、やってあげてる感覚もない。
退院したら、私に爪を光らせてほしいと祖母が言った。
もう何十年としていないが、マニキュアを塗りたいらしい。
来週この病院は退院するが、別の病院に入院する。
在宅は難しいという話で、もう自宅には戻れないかもしれない。
今年の初めから祖母は入浴をしていない。
骨折や肺炎で入れなくなり、ヘルパーさんや看護師さんに、全身拭いてもらっているらしい。
温泉好きの祖母が、自宅か病院化で入浴できること
マニキュアを塗れること
叶うように祈っている