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⑨コップの水が溢れちゃったんだね

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主人が抱えているプレッシャーの中に、私と似たものがあった。

 

私と未来の子供を食べさせていかなきゃいけない。

 

その為には今よりももっと稼ぎたいし、最低でも今の年収を落としたくない。

 

もっと頑張らなくてはいけない、というものだ。

 

私のプレッシャーは未来の子供を育てる事。

 

妊活して、無事に子供を産んで、泣き止ませ、離乳食を手作りし、予防接種を打ち、保活して、家事と育児と仕事をたぶんほぼ一人でしなければない。

 

それにはいまの生活よりもっと頑張らなくてはいけない、というものである。

 

お互いのそのプレッシャーをもうちょっと楽にしようと持ちかけてみた。

 

私は子供が出来ても、そんなに頑張らない。死なないように(怪我・病気)だけ気を付けるから、あなたもそのくらいで自分が辛くない程度に働いたら?

 

どうせ二人の性格上、ベストは尽くすのだ。

 

それだったらスタートは気楽なほうがいい。

 

会社の先輩に、この間午後から出勤してきたけど大丈夫?と聞かれた。

 

その時は上司に「病院にいくので午前休みます」と伝えていたのだ。

 

正確には主人を病院へ連れて行く、だったのだが省略してあった。

 

よく話す先輩だったので、実は…と話した。

 

すると彼女の父親も、以前色々と心労が重なり救急車で運ばれたと言う。

 

主人のことも、ゆっくり休んだ方がいいと言ってくれた。

 

そして、上司には話しておいた方がいいかもしれないとアドバイスをくれた。

 

プライベートなことだから、そんなこと聞かされても困るだろうと思っていたが、もしこれからも何かがあったとき上司が知っているのと知らないのとでは違うだろうなと考え、直属の上司と部の上司に時間を作ってもらった。

 

予約した会議室に入るとさすがに緊張する。

 

きわめてプライベートな話だし、自分のことでもなく主人の話である。

 

こういうことがあり、もしかしたらこれからもご迷惑をおかけするかもしれませんがよろしくお願いします。と話した。

 

結婚式に出席してくれたこの二人の上司は、予想以上に真剣に相談に乗ってくれた。

 

これから30年働かなきゃいけないんだから環境を変えるのは決して間違ったことじゃない。

 

身体は一つしかないんだから大事にして。

 

出来るだけ旦那さんについていてあげて、急な早退や欠勤も連絡くれたらそれでいいから気にしないで。

 

結婚式での旦那さんを見ていたら、真面目で優しそうな人だったから思い詰めちゃったんだね、コップの水が溢れちゃったんだね。

 

四人で食事にでもいって気張らししよう!などとも言ってくれた。

 

温かい言葉の数々に、目頭が熱くなる。

 

理解者がいるってなんて心強いんだろう。

 

ただの一派遣の私の配偶者のことを、こんなに考えてくれるなんて思わなかった。

 

結婚式に呼んでおいて良かった。披露宴の意味ってきっとこういうことなんだ。

 

社会経験が浅いと違い、30年のキャリアがある上司たちに「大丈夫!」と言ってもらえて、不安がひとつ減った気がした。

 

 

 


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